米田です。
セルロースファイバー断熱材を採用された工務店さんから
他の断熱材と同じ性能なのに、室内環境が明らかに違う
と言われることがあります。
断熱材の性能は一般的に
熱伝導率という熱の伝わりやすさを表す指標で比較されます。
熱伝導率は数値が小さいほど断熱材としての性能が良くなります。
同じ性能にしようとした場合厚みで表すと
セルロース100mm=高性能GW95mm=フェノール50mm
フェノールフォームはセルロースの半分の厚みで同じ性能と言う事。
セルロースファイバーの他の断熱材より
優れている点は『容積比熱』いわゆる『蓄熱性』
物質1gの温度を上げるのに必要な熱量を表します。
例えばデコス(密度55K)とGW16Kを比較した場合7.7倍の差
同じ温度上げようとすると7.7倍の熱量が必要となると言う事。
セルロースとグラスウール屋根断熱185mmで比較した場合のシミュレーション↓ 夏8月9日の温湿度
同じ厚みなので断熱性能は高性能GWの方が良いが非定常計算のシミュレーションでの温度はセルロースファイバーの方が3℃~4℃低い。(天井表面温度で2℃)
これは蓄熱性が高い為、屋根面の熱がセルロースの蓄えながら移動する為
室内側に到達するのがGWより遅いと言う事。
この温度差は体感では半そで半パンと長袖長ズボンほどの差になる。
グラフでは湿度も安定しており調湿の効果もある為、夏の快適性では優位に働くことがわかるシミュレーション結果。
実際のお住まいで感じる心地よさには、断熱性能だけでなく
蓄熱・調湿が関係しているんですね。